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KENDRIXが正式にリリース!

KENDRIX

KENDRIX Media は、KENDRIXプロジェクトの一員として、音楽クリエイターの方々に向け、楽曲制作のヒントとなるような情報を発信してきました。

そして、ついにこの日を迎えることができました。

お待たせしました、KENDRIXが正式にリリースです!

2022年10月31日、 KENDRIXが正式にリリースされました。
https://kendrix.jp

 

KENDRIXは「すべての音楽クリエイターが Creation Ecosystem に参画できる世界へ」というコンセプトにより開発された、誰もが簡単に利用できる音楽の権利のDXツール。

ブロックチェーンと呼ばれる技術を用いて、いつ誰がその音楽ファイルを所有していたのか、という楽曲の存在証明を発行できるサービスを提供しています。さらに、JASRACに著作権の管理を委託する契約(信託契約)の締結や作品登録まで。これらをすべてKENDRIXで行うことができます。

とはいっても、

 存在証明ってなんのためにするの?

 何をどうやって登録するの?

 これまでのJASRACの信託契約と何が違うの?

まだまだわからないこと、多いですよね。

ここでは、KENDRIXのポイントをできる限りわかりやすく解説したいと思います。

(point 1)安心して楽曲を発表できる

ソフトウェアやツールの進化によって、誰でも簡単に音楽を創ることができるようになりました。そして、インターネットを通じて、その音楽をすぐに世界中に発信することもでき、その音楽が第三者によってどんどんシェアされていく時代です。

自分の知らないところで、自分の作品が多くの人に届いている。それは、音楽クリエイターにとってとても望ましい状況である一方で、次のような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

まず無断利用。「勝手に使われた!」ということですね。世界中に発信されていますから、自分の意図しない環境・方法で使われてしまう可能性は十分ありえますよね。

ほかにも盗作無断改変、楽曲を切り貼りされたり、勝手にアレンジされてしまった!とか。

さらになりすまし公開。これは「自分の作品が勝手に他人の作品として公開されている!」とか。

もちろん経験したことがなければ、なによりです。

ただ、KENDRIXを開発するために約60組の音楽クリエイターにインタビューしたところ、半数近くの方が著作権に関する何らかのトラブルを経験していました。

特にJASRACと信託契約を締結していない、いわゆるDIY型の音楽クリエイターほど、こうしたトラブルを経験していて、いざ無断利用やなりすまし公開等の被害に遭遇した場合、作品の創作者が間違いなく自分である、ということを証言・証明してくれる第三者が存在しなかったため、非常に心許ない状態に陥った、という体験談をお聞きしました。

そんな悩みを解決してくれるのがKENDRIXの存在証明です。

ブロックチェーン技術を使った存在証明は、作品(音源ファイル)を誰がいつの時点で所有していたものなのか、ということを客観的に証明してくれます。

(KENDRIX存在証明ページの例)

自分の作品を、YouTubeなどの動画配信プラットフォームやSNSで公開するときに、「この作品の音源ファイルは自分が〇年〇月〇日〇時〇分時点で所有していた」ということを示す存在証明も一緒に公開すると、著作権の意識が高いクリエイターだ、と第三者に伝わり、無断利用や盗作などの抑止につながります。

「ルールを守ってもらえるなら、YouTubeやTikTokなどの二次利用も許可したい」などという場合も、存在証明の公開時に「こういう利用だったらOKです」と補足しておくと、利用者にとってはわかりやすくて安心です。

(point 2)アカウントや楽曲の登録が簡単にできる

存在証明を発行するためには、どんなことを登録するのか、手順が気になりますよね。
そこで、KENDRIX Media 編集部でも、KENDRIXを使って楽曲を登録してみました。

まずはKENDRIXにアカウント登録。

アカウント登録に必要なのは、「個人活動名義または本名」と「メールアドレス」のみ。
存在証明を発行するだけの「ベーシック」アカウント(詳細はpoint3をご覧ください)なら、本名・住所・電話番号などの個人情報は不要なんです!

もし活動名義が複数ある方は、代表的な名義を1つ登録してください。登録後に、ほかの活動名義を追加することができますのでご安心を。

メール認証を経て、アカウント登録が完了。そのつぎは楽曲登録です。

まず「楽曲タイトル」と「活動名義」を入力し楽曲を登録します。
楽曲登録が完了すると、次はバージョン(音源ファイル)の登録に移ります。

ここでいう楽曲とは音楽作品のこと。
バージョンとは音源のことを指します。
音楽配信サービスなどに登録するのは、基本的に完成バージョンということになりますね。

『KENDRIX Media』という楽曲に、2つのデモ音源(バージョン)を登録してみました。

このように、1つの楽曲には、複数のバージョンを紐づけることができるので、デモ音源や仮歌入りの音源など、制作過程の音源をどんどん登録することが可能です。

たとえば『KENDRIX Media』をアレンジした『KENDRIX Media -winter version- 』を制作するときは、『KENDRIX Media』という楽曲に『KENDRIX Media -winter version- 』というバージョンを追加登録する、というイメージです。

このバージョン登録をすると、ブロックチェーンに情報が記録されるので、存在証明を発行することが可能になる、というわけです。

なお、ブロックチェーンに記録するため、バージョン登録の操作を行ってから登録が完了するまで、時間がかかる場合があります
登録完了画面に切り替わるまでお待ちください。

(point 3)JASRACと契約する際のハードルが下がった

KENDRIXは、音楽クリエイターの方なら誰でも無料でつかうことができます。「すべての音楽クリエイターのために」、KENDRIXのコンセプトならではのポイントです!

さらに、JASRACに著作権の管理を委託する契約(信託契約)も、KENDRIXから申し込むことができます。

これまでJASRACとの信託契約には、戸籍謄本や印鑑証明書などの書類提出が必要でしたが、KENDRIXではこれらの書類提出が不要に。
アカウント登録後、氏名や住所などを追加入力し、運転免許証やマイナンバーによる身元確認を行うことで、信託契約の締結がオンライン上で完結します。

KENDRIXには、「ベーシック」と「ビジネス+(プラス)」というアカウント種別があり、KENDRIXを通じてJASRACと信託契約を締結すると「ベーシック」から「ビジネス+」にアップグレードする、という仕組みになっています。

 

ベーシック

ビジネス+

KENDRIX上に登録した楽曲をブロックチェーンに記録

楽曲の存在証明ページを発行

JASRACに作品届を提出する(作品登録)*

 

作品登録した楽曲の著作権をJASRACが管理

 

作品登録した楽曲の著作物使用料を受け取る

 

*KENDRIXのオンライン作品届提出機能は2023年2月に追加予定

JASRACと信託契約を締結する際には、自分の楽曲がどれくらい第三者に利用されているのか、という利用実績の基準を満たす必要がありますが、KENDRIX のリリースに合わせて、その基準も緩和されました。

「インターネットで作品を公開している場合」に関する新しい基準を分かりやすくご説明すると以下となります。

自分の作った楽曲が、YouTubeやTikTokなどの投稿型サービスも含めた商用配信サイトで、過去1年間に1,000回以上再生されていること
(TuneCoreのような配信代行サービスを使ってApple MusicやSpotifyなどで配信している楽曲も対象)

※その他の基準を含む詳細についてはこちらをご覧ください。

 

以上、KENDRIXの3つのポイント、いかがでしたでしょうか。

JASRACや音楽出版社と契約していない音楽クリエイターにとってKENDRIXは、楽曲の創作に関する事実関係を客観的に証明できる心強いパートナーになれるのではないかと思います。

さらに、過去に無断利用やなりすまし公開に遭遇したことがあるDIYクリエイターのなかには「できることなら、専門的な知識を有するJASRACや音楽出版社のサポートを受けたい」と思いながら、商業的にそれほど成功していないため、JASRACと信託契約を締結したり、音楽出版社のサポートを受けたりすることは難しいだろう、とセルフジャッジしている方がいました。

KENDRIXのリリースにあわせて、JASRACと契約する際のハードルが下がっていますので、KENDRIXで「ビジネス+」アカウントにアップグレードする、ということもご検討いただきたいと思います。

YouTubeチャンネルも開設

KENDRIXのリリースに合わせて、KENDRIX YouTubeチャンネルも開設しました!

「KENDRIX Presents 音楽ができるまでをのぞいてみた」では、KENDRIXの利用が想定される音楽制作の現場をご紹介しながら、音楽クリエイターの方に役立つTipsや考え方をご提供していきます。
第1回のホストは、KENDRIXの開発にもご協力いただいたCOLDFEETのWatusiさんです!

(関連記事)
KENDRIX Presents 音楽ができるまでをのぞいてみた Vol.1 Watusi

そのほか、「ケン&ドリーの音楽の権利とお金の話」では、音楽クリエイターが理解しておくべき基本的な用語や制度をアニメーションで分かりやすく解説します。

コンテンツは随時公開予定!
KENDRIX Media の仲間となったYouTubeチャンネルも、ぜひご覧ください。
チャンネル登録もぜひお願いいたします。

 

TEXT:KENDRIX Media 編集部

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