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『ドン ドン ドン ドンキ〜♪』あの有名曲はどうやって生まれたのか作曲者に聞いてみる

知らずしらずのうちに耳にしているのが「ストアソング」。
今回は、ストアソングの中でも特に人気が高いドン・キホーテ『MIRACLE SHOPPING』の作詞・作曲を手がけた田中マイミさんに、制作秘話を伺いました。

田中マイミ

京都府京都市出身。
高校在学中に、大阪で行われた第一回ヤマハシンガーオーディションにて優勝し、19歳でデビュー。
その後、独学で作詞・作曲を学び作曲家やバックコーラスとして活動。
音楽活動の傍らドン・キホーテのアルバイトを始め、社長からの誘いを受けて1995年7月に正社員に。
ドンキの店舗販促のアミューズメントの基盤を、独自の感性で築き上げたほか、店舗のイメージソングを作成した。
現在はフューチャービジョン・ラボを設立し、企業コンサル・エグゼクティブコーチング・企業研修・セミナーなどを軸として活動している。

著書 『楽しくなければ成果は出ない』(すばる舎)

ストアソングではお店のウリを音楽に入れていくことが大事

  • まず、普段どうやって作曲をされているのかお聞きしたいです。

私はサビから作ることがすごく多いです。「サビの後にAメロが出てくる」という順番ですね。

思いつくのは、お風呂や運転しているときのようなリラックスしているときが多いです。
それを録音しておいて、後から聞いてときめいたら(他の音やメロディを)足して曲を作っていきます。

あとは、私はあまりたくさん書くタイプではなくて、ひとつひとつをじっくり作っていくことが多いですね。

 

  • メロディと歌詞だとどちらから考えられているのでしょうか?

曲先ですね。ただ『MIRACLE SHOPPING』は「ドンドンドン」という歌詞が同時に出てきたので、そういうこともあります。

 

  • なるほど。『MIRACLE SHOPPING』についてもっとお聞きしたいのですが、作曲するときにどういうイメージの曲を作ろうと考えられていましたか?

買い物カゴを持って歩いていても違和感のないリズム・テンポの曲にしたいと思っていましたね。あとは聴いたときにワクワクして買い物したくなる気持ちになれる曲、ということは決めていました。

最初はいろんな他のストアソングを聴いていたんですけど、あまりしっくりくるものがなくて。楽曲としてちゃんと成立していて、「1曲まるごと聴きたい」と思えるストアソングを作りたいと思ったんです。

 

  • ストアソングということで制作時に特に気をつけたことなどはありますか?

お店のブランドを曲の中に入れていくことは必要だと思っていました。

「そのお店の何がウリか」「ウリをどう見せていくか」をうまく入れるのがストアソングでは一番重要だと思いますね。

 

  • CMソングに近いアプローチが必要なんですね。

そうですね。ただ入れるだけではだめで、音の響きや言葉のリズムをふまえて入れていかないといいストアソングにはならないんです。

 

  • 『MIRACLE SHOPPING』では、店名を連呼する歌詞が印象的です。

歌詞は買い物されているお客さんの心情を、言葉にするイメージで作りました。

「ドン・キホーテで待ち合わせ」というフレーズがあるんですけど、いまも昔もドンキで待ち合わせする方って多いんですよ。そういう共感できる言葉を入れていくのは大事ですね。

 

  • サウンド面で工夫されたことがあればお聴きしたいです。

いわゆるストアソングらしくない、普通の楽曲のようなジャジーな音を使っていますね。ただ、「バーン!」というインパクトの効果音をわざと入れたりもしています。

それから、(曲の中に)セリフを入れることで、いわゆる普通の楽曲とは違うストアソングらしい雰囲気を出せていると思います。

「やってみる?」というラフなノリで始まった『MIRACLE SHOPPING』

  • 作詞作曲についてお聞きしたところで、どういう経緯で『MIRACLE SHOPPING』を制作することになったのか伺いたいです。田中さんはもともとミュージシャン活動をされていたそうですね。

中高生の頃は、「いつか音楽でごはんを食べられたらいいな」とふわっと思っていました。

それでヤマハのボーカルオーディションに応募したら優勝してしまって(笑)そこから人生が変わったんですね。

東京に出てきてデビューが決まったんですけど、当時私は作詞作曲をしたことがなかったんです。それでやってみようと思って、2枚目のシングルから自分の曲を歌うようになりました。

ちなみに3枚目のシングルは1981年の曲なんですけど、稲垣潤一さんが自ら探してきて、この曲歌いたいってことで2015年にカバーされてるんですよ。『涙のロンリー・ボーイ』っていうんですけど。

当時、事務所との相性がよくなくて、作曲家で食べていこうとしたんですね。ただ(作曲家は)印税が入ってくるのが遅いので、食べるためにアルバイトを始めたんです。

 

  • そこでドン・キホーテに出会ったんですね。

家の近くのドン・キホーテがバイトを募集していて(笑)。

「ここなら暇だから音楽活動しながらでもできるな」と思って応募したんです。それからバイトリーダーになって、手書きのポップを作ったりするうちに売上があがっていったんですね。

それで社長から「社員にならないか」というお誘いを受けて「人生で1回ぐらい正社員を味わってもいいかな」と思って、正社員として働き始めました。

売上は順調にあがっていったんですけど、私としては今ひとつおもしろくなくて。もっと楽しいことをやろうと思って、ポップを派手なボードにしたり、緑の葉っぱを並べてジャングルみたいなディスプレイを作ったりしていきました。

それがまたお客さんにウケて、売上があがって(笑)。その頃ですね。『MIRACLE SHOPPING』を作ったのは。

 

  • 1998年頃のことですね。

同じタイミングで公式キャラクターの「ドンペン」も出来たんですね。

「せっかくキャラクターがいるんだから歌も欲しいよね」ってことで、もともとミュージシャンをやっていた私に「やってみる?」という声がかかりました。

 

  • 制作期間はどれくらいだったのでしょうか?

曲を書いてラフ録りするまでが2ヶ月くらいですね。

最初はラフに録ったものを店内で流していたんですよ。家で友達に歌ってもらって、ありあわせの機材で録音したものを使っていたんです。

いまのものは、ラフ音源が好評だったので後から録り直したものですね。

 

  • 曲が完成したときの手応えはいかがでしたか?

自分ではやっぱりいい曲だなって思うんですよ。それに、自分でいいなと思ったものは周りからのウケもいいですね。

ただ、社内の評判がいいだろうというのは予想通りだったんですけど、お客さんにここまでウケるとは思いませんでした。

 

  • 田中さん個人として今後やっていきたいことなどはありますか?

私はもともとスティービー・ワンダーみたいなソウルっぽいポップスが好きだったんです。
でも『MIRACLE SHOPPING』を作って、皆が踊れるようなノレる音楽ってこんなに楽しんでもらえるんだってわかりました。なのでいまはそういう楽しい音楽がやりたいなと思ってますね。

最近いいなって思うのはザ・チェインスモーカーズとかZeddとかだったりします。
もっと気楽にポンポン作曲できるようになりたくて、最新のDTMのソフトとか機材のことを勉強したいなと思っています。

 

TEXT:まいしろ

エンタメ分析家。データ分析やインタビューを通して、なんでもないことを真剣に調べてみた記事をたくさん書いてます。音楽と映画が特に好き!
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