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第1回 アジア(韓国)編

World Famous ~目指せ、世界の音楽賞~
第1回 アジア(韓国)編

ナレッジ
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唐突ですが、なにごとも目標設定が大切だと思いませんか。

いつまでに何をする、こういう状態になる、などといった目標を設定することで、そこに至るまでのタスクやプロセスを具体的に意識して、やるべきことを実行しやすくなる。

そのような意味では、現実的な効果があると思います。

KENDRIX Mediaでは、音楽クリエイターの目標設定に役立つ情報をご紹介したい、と考え、それならば、音楽クリエイターにとって名誉となる音楽賞をご紹介すれば良いのでは!と思い至りました。

特にこれからの時代は世界に目を向けて、グローバルに活躍していただきたい!ということで、世界の音楽賞をご紹介していきたいと思います!

第1回はアジアから、なかでも、BTS や BLACK PINK を輩出し、いまや世界有数のコンテンツ輸出国となっている韓国の音楽賞にフォーカスを当てていきたいと思います。

といいますのも、韓国には、韓国だけに留まらない、アジア最大級といえる音楽賞があるからです。

それは「Mnet ASIAN MUSIC AWARDS」、通称「MAMA」です。

MAMAとは

MAMAの前身は、1999年にスタートした「Mnet映像音楽大賞」です。

この「Mnet映像音楽大賞」は、2004年に「Mnet KM Music Video Festival」、2006年に「Mnet KM Music Festival」と名称を改め、そして2009年、現在の「Mnet ASIAN MUSIC AWARDS」という名称になりました。

MAMAの公式サイト(日本語版)では、MAMAのことを「K-POP音楽授賞式」と表現しています。

単なる「音楽賞」ではなく「音楽授賞式」と表現されていることに少し違和感を覚えるかもしれませんが、まさにそう呼ばれるにふさわしい実態があります。

MAMAは2010年以降、授賞式イベントを韓国以外のアジア各国で開催しているのです。
※2020年以降は新型コロナウイルス感染症の影響により韓国のみでの開催。

「MAMA」2010年以降の開催国

開催年 開催国
2010年 マカオ
2011年 シンガポール
2012年~2016年 香港
2017年 香港、ベトナム、日本
2018年 香港、日本、韓国
2019年 日本
2020年 韓国
2021年 韓国

「K-POP音楽授賞式」なのに、日本を含むアジア各国で開催する(基本的には韓国では開催していなかった)、という点に、K-POP自体のとてつもないパワーと、コンテンツとして海外に輸出するためのしたたかな戦略性を感じます。

2017年・2018年・2019年は、日本でも開催されています(2019年は日本単独開催)。

「MAMA」日本での開催場所

開催年 開催場所 会場の収容人数
2017年 横浜アリーナ 約17,000人
2018年 さいたまスーパーアリーナ 約37,000人
2019年 ナゴヤドーム 約49,000人

年々キャパシティの大きな会場になっていることに勢いを感じます。

2020年以降はコロナ禍ということもあり、韓国での開催を余儀なくされていますが、コロナ禍がなかったら、一体どうなっていたのでしょうか。
もしかしたらアメリカで開催する、なんてこともあり得たのではないか、と思わされます。

そんなMAMAを主催しているのは、音楽専門チャンネル「Mnet」を運営する「CJ ENM」1という企業です。

韓国の「CJ」といえば、食品関係でピンと来る方がいらっしゃるかもしれません。
「CJ ENM」は、日本のスーパーでもよく見かける調味料「ダシダ」や冷凍餃子「王マンドゥ」を製造・販売している「CJグループ」の子会社です。

1MAMAを主催している「CJ ENM」は、2012年からアメリカで「KCON」というイベントも開催しています。

MAMAで表彰される部門

MAMAが表彰を行う部門をまとめてみました。

基本的な表彰部門(2020年・2021年ともに受賞者が存在する部門のみピックアップ)

Award Name 2020Winner 2021Winner
Artist of the Year BTS BTS
Song of the Year BTS『Dynamite』 BTS『Butter』
Album of the Year BTS『MAP OF THE SOUL : 7』 BTS『BE』
Worldwide Icon of the Year BTS BTS
Best New Male Artist TREASURE ENHYPEN
Best New Female Artist Weeekly aespa
Best Male Group BTS BTS
Best Female Group BLACK PINK TWICE
Best Male Artist BAEKHYUN BAEKHYUN
Best Female Artist IU IU
Best Dance Performance Solo Hwa Sa『Maria』 ROSÉ『On The Ground』
Best Dance Performance Male Group BTS『Dynamite』 BTS『Butter』
Best Dance Performance Female Group BLACK PINK『How You Like That』 aespa『Next Level』
Best Vocal Performance Solo IU『Blueming』 IU『Celebrity』
Best Band Performance DAY6『Zombie』 JANNABI『A thought on an autumn night』
Best Hip Hop & Urban Music ZICO『Any song』 ASH ISLAND『MELODY』
Best Collaboration IU『eight (Prod. & Feat. SUGA of BTS)』 AKMU『NAKKA (with IU)』
Best OST Gaho『Start (Itaewon Class)』 CHO JUNG SEOK『(HOSPITAL PLAYLIST Season2)』
Best Music Video BTS『Dynamite』 BTS『Butter』
Worldwide Fans’ Choice TOP 10 10組のアーティスト 10組のアーティスト

やはり BTS が多くの賞を取っていますね。

その他にも、2年連続で同じ賞を受賞している BAEKHYUN や IU が気になります。
思わずMVをチェックしてしまいました。

MAMAではさらに、アジア各国のアーティストを表彰するカテゴリが設けられています。

アジア各国の表彰部門

Award Name 2020Winner 2021Winner
Best Asian Artist Japan Official髭男dism JO1
Best Asian Artist Mandarin G.E.M. Accusefive
Best Asian Artist Thailand Ink Waruntorn Tilly Birds
Best Asian Artist Indonesia Rizky Febian Anneth
Best Asian Artist Vietnam BINZ QUÂN A.P
Best New Asian Artist Japan 藤井風 Ado
Best New Asian Artist Mandarin Chih Siou Anson Lo
Best New Asian Artist Thailand MILLI SPRITE X GUYGEEGEE
Best New Asian Artist Indonesia Tiara Andini Lyodra
Best New Asian Artist Vietnam AMEE Hoàng Duyên

そして、MAMAには、音楽プロデューサーや作曲家、エンジニア、振付師やアートディレクターといったクリエイターを表彰する部門もあります。

クリエイターの表彰部門

Award Name 2020Winner  2021Winner
Best Executive Producer of the Year Bang Si-Hyuk
ARTIST:BTS
Bang Si-Hyuk
ARTIST:BTS
Best Producer of the Year Pdogg
ALBUM:『Dynamite』
ARTIST:BTS
TEDDY
ALBUM:『LALISA』
ARTIST:LISA
Best Composer of the Year Yovie Widianto
SONG:『Maafkan Aku #TerlanjurMencinta』
ARTIST:Tiara Andini
YOO YOUNG JIN
SONG:『Savage』
ARTIST:aespa
Best Engineer of the Year Gu Jong Pil/Kwon Nam Woo
SONG:『Any song』
ARTIST:ZICO
Gu Jong Pil/Kwon Nam Woo
SONG:『Celebrity』
ARTIST:IU
Best Video Director of the Year Lumpens
MV:『Dynamite』
ARTIST:BTS
Lumpens
MV:『Butter』
ARTIST:BTS
Best Choreographer of the Year Quang Đăng
SONG:『Love Note』
ARTIST:BINZ
LEEJUNG LEE
SONG:『Money』
ARTIST:LISA
Best Art Director of the Year MU:E
MV:『Dynamite』
ARTIST:BTS
MU:E
MV:『Butter』
ARTIST:BTS

こちらも BTS の作品を手掛けたクリエイターが目立っています。

MAMAで表彰された日本人

最後に、MAMAで表彰された日本人をご紹介します。

Year Award Name Winner
2012年 Best Asian Artist Japan AKB48
2013年 Asian Artist of the Year in Japan きゃりーぱみゅぱみゅ
2014年 Asian Artist of the Year in Japan 家入レオ
2015年 Best Asian Artist Japan AKB48
Best Engineer (Japan) 中山佳敬
2016年 Best Asian Artist Japan SEKAI NO OWARI
Best Promoter of the Year 日高正博
Best Engineer of the Year 田中博信
2017年 Inspired Achievement 秋元康
Best Asian Artist Japan AKB48
Best Video Director of the Year 牧野惇
2018年 Best Asian Artist Japan DA PUMP
Best New Asian Artist Japan けやき坂46
Favorite Dance Artist Japan 超特急
2019年 Best Asian Artist Japan あいみょん
Best New Asian Artist Japan King Gnu
Best Art Director of the Year 吉田ユニ
2020年 Best New Asian Artist JO1
Best Asian Artist Japan Official髭男dism
Best New Asian Artist Japan 藤井風
2021年 Favorite Asian Artist INI
Best Asian Artist Japan JO1
Best New Asian Artist Japan Ado

とにかく錚々たるメンバーですが、「Japan」が付く賞に関しては、当時国内外で活躍していた日本人アーティストが順当に選ばれている、という印象を受けます。

KENDRIX Mediaでは、あえて「Japan」が付かない賞の受賞者に注目していきたいと思います。

2020年・2021年に JO1 と INI が、それぞれ受賞している「Best New Asian Artist」と「Favorite Asian Artist」という賞は「Japan」限定ではないため、アジア各国の表彰部門ではなく、カテゴリとしては基本的な表彰部門の賞となります。

JO1 も INI も、韓国のオーディション番組「PRODUCE 101」の日本版「PRODUCE 101 JAPAN」からデビューした日本のボーイズグループですが、韓国を始めとするアジア地域での人気の高さがうかがえます。

2019年には、吉田ユニさんがクリエイターの表彰部門である「Best Art Director of the Year」を受賞しています。
受賞理由として挙げられているのは、吉田さんがジャケットアートワークなどを手掛けられた星野源のアルバム『POP VIRUS』です。

2017年には二人のクリエイターがMAMAで表彰されています。

Mr.Children『ヒカリノアトリエ』のMVを手掛けた牧野惇さんが「Best Video Director of the Year」を、そしてプロデューサーで作詞家の秋元康さんが「Inspired Achievement」を、それぞれ受賞しています。

特に「Inspired Achievement」は、クリエイターの表彰部門ではなく、基本的な表彰部門となります(該当者がいない年もある特別賞です)。

2016年にも、アーティストではない日本人が二人、表彰されています。

「Best Promoter of the Year」として、株式会社SMASHの代表取締役社長である日高正博さん、「Best Engineer of the Year」として、AKB48などを手掛ける音楽ディレクターの田中博信さんのお二人です。

まとめ

KENDRIX Mediaをご覧いただいている音楽クリエイターのみなさんが、アジア最大級の音楽賞といえるMAMAで表彰されることを、具体的な目標の一つとして設定する場合、到達ルートとしては以下の2パターンが考えられると思います。

✔ 自らシンガーソングライターとして活躍して、アーティストとして表彰される。
✔ アジアで活躍するアーティストの作品を手掛けることで、クリエイターとして表彰される。

MAMAには、大規模な授賞式イベントという特徴もありますので、MAMAでパフォーマンスを行ったり、クリエイターとして表彰されるイメージも具体的に描いてみてはいかがでしょうか。

TEXT:KENDRIX Media 編集部

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