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愛は永遠なのかまぼろしなのか、J-POPに聴いてみる

データ

人生それなりに生きていると、突然こう思うことがあると思います。

「愛って、何だろう?」

古今東西、いろんな人が考え続けてきたこの問題。

何千年も前の古代文明から始まり、現代でも定期的にGoogle検索されている、まさに人類にとって普遍の疑問といえるでしょう。

人類最大の謎のひとつとも言える「愛」。これを、昔からいままで何度も取り上げてきたジャンルがあります。

そう、J-POPといえば愛。愛といえばJ-POP。

愛とは何かを知りたいなら、J-POPに聞けばすべてが解決するのではないでしょうか。

というわけで今回は、膨大なJ-POPのデータをもとに「愛とはなんなのか」を調べていきます。

※調査対象:JASRAC登録曲(2022年4月時点)のうち、曲名が「愛は」から始まる楽曲

■J-POPでは「愛は永遠」派と「愛はまぼろし」派がいい勝負をしている

今回、調査の対象にしたのは、曲名が「愛は」から始まる日本の楽曲(JASRACでは「内国作品」というらしい)。

「そんなに多くないだろう」と思っていたら、全部で996曲ありました。

※無限にスクロールできる愛の塊みたいなエクセルができました。

この膨大なデータをもとに、「愛はどういうものだと思われているのか」を知るべく、まずは曲名ランキングを作ってみます。

最も多かったのは「愛は永遠だ」と考える派。
愛はまぼろしだと考えている派をおさえ、堂々の一位に輝きました。

この「愛は永遠なのか、まぼろしなのか」はJ-POP界でもかなり意見がわかれるようで、ランキングを見ても意見がまっぷたつになっていることがわかります。

同じように混迷を極めていたのが、「愛はここにある」と宣言する「愛はここ派」と、「愛は何処へ」と叫ぶ「愛がどこにあるかわからない派」

J-POPでは、この「永遠か/まぼろしか」「ここにあるか/どこにあるのか」がテーマになることが多いようで、人は愛の時間と場所を気にしがちという事実が明らかになりました。

ちなみに、これをもとに「自分の愛についての考え方を整理できるシート」を作成しました。愛がなにかわからなくなった場合は、ぜひ活用してください。

※愛が何だかわからなくなったときに使えるお役立ちシートです。

■愛は「すずめの涙」だったり「コバルトブルー」だったりする

続いては、愛について独特な考えを持っているJ-POPを見ていきましょう。

今回調べた曲名リストを見たときに、気になったのがこの曲名。

何があったのでしょうか。妙に量にこだわっているところが気になります。いつか限りない愛が見つかることを願ってやみません。

他に気になったのがこの曲名。

どうしたのでしょうか。確かに、愛は乱調にあることも多いですが「ただ」とつけているからには、普通の状態ではありません。いつか安定した愛が見つかることを願ってやみません。

さらに気になったのがこちらの曲。

向上心が強いです。なんとなく愛は「見つかる」ものだと思っていましたが、鍛え上げていくものでもあるようです。この姿勢はぜひ見習っていきたいものです。

それから、興味深かったのがこちら。

「愛の色」といえば赤色が使われることが多いですが、J-POPではコバルトブルー。
これ以外にも「すみれ色」「藍色」など、愛の色は全体的にちょっと暗いものが多いようです。

■「恋」は「愛」ほど時間や場所を気にされていない

ここまで愛について見てきましたが、同じように語られることの多い「恋」の方はどうでしょうか。

「恋は」で始まる曲は、なんと1,417曲もありました。
愛と同じく、「恋は」で始まる曲名のデータを見てみましょう。

「魔法」「マジック」などなど、愛よりちょっと楽しそうな言葉が多い恋の歌。

一方で、愛のように時間や場所を気にする歌は激減しました。

また、暗い色が多かった「愛」ですが、恋の方は少し明るい色合いに。

愛はコバルトブルーでしたが、恋はみずいろ。しかも、この曲名だけで3曲もあるという流行りようです。

色を使った曲名は、これ以外にも「恋は紫」などがあり、恋は愛よりちょっとだけ色が明るくなることが判明しました。

他に、気になったのがこちらの曲。

何かありましたね。大変ストレートな感想ですが、ぜひいつか傷が癒えたら戻って来て欲しいなと思います。

■愛が何かわからなくなったら松山千春を聴けば間違いない

それでは最後に、愛についてよく歌っているアーティストランキングを見てみましょう。

今回対象になったのは「愛は」から始まる996曲のうち、JASRACの作品データベースでアーティスト名の登録があった685組。そのうち、もっとも「愛は」から始まる曲が多いアーティストのランキングがこちらです。

※JASRACの作品データベースでアーティスト情報が複数登録されている場合に先頭に表示されるアーティスト名で集計(先頭=オリジナルアーティストである可能性が高いとのこと)

単独で1位に踊り出たのは、フォークシンガーの松山千春。

長年、第一線で活躍してきたことによる持ち曲の多さを味方につけて、愛について一番語っているアーティストの座を射止めました。愛が何かわからなくなった人は、松山千春を聴いて自分の考えを見つめ直すのがおすすめです。

気軽にいろんなミュージシャンの考えに触れられるJ-POP。哲学的な疑問に直面したときは、ぜひ音楽にふれるよいきっかけにしてみてください!

TEXT:まいしろ

エンタメ分析家。データ分析やインタビューを通して、なんでもないことを真剣に調べてみた記事をたくさん書いてます。音楽と映画が特に好き!
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