TOP記事投稿KENDRIXがアップデート!~創作の寄与度に応じた分配率の届出が可能に〜

KENDRIXがアップデート!~創作の寄与度に応じた分配率の届出が可能に〜

KENDRIX

2025年8月5日(火)18:00頃、KENDRIXのアップデートが完了しました。

2022年10月31日に正式リリースされたKENDRIXは、「すべての音楽クリエイターが Creation Ecosystem に参画できる世界へ」というコンセプトにより開発された、誰もが簡単に利用できる音楽の権利のDXツール。
ブロックチェーンと呼ばれる技術を用いて、いつ誰がその音楽ファイルを所有していたのか、という楽曲の存在証明を発行できるサービスを提供しています。

KENDRIXのキービジュアルは、中村佑介さんに描き下ろしていただいたオリジナルイラストです。

illustration / YUSUKE NAKAMURA

KENDRIX Mediaでは、今回追加された新機能をご紹介させていただきます。

分配率の原則は「均等割り」、あえて「均等割り」にしないのが「創作の寄与度に応じた分配率」

個人の著作者としてJASRACと信託契約を締結すると、自ら作品届を作成して提出できるようになり、自身の作品をJASRAC管理楽曲としてデータベースに登録できます。その結果として、JASRACが集めた著作物使用料の分配を受け取れるようになります。

もし他の著作者と共同で楽曲制作した場合、その作品の著作物使用料はどのような比率で各著作者に分配されるかご存知ですか。
早速答えを披露してしまいますが、分配率の原則的な取扱いは以下となります。

【分配率の原則】
・詞と曲がある場合は、まず詞と曲で均等分割
・詞と曲、それぞれの区分で著作者が複数いる場合は、各著作者で均等分割

(例)

作詞の50%は、作詞を担当したメイ/ケン/ショウで均等に3分割、作曲の50%は、作曲を担当したメイ/ケンで均等に2分割

しかしながら、実際の楽曲制作において、各著作者の貢献度が全く同じである、ということがどれほどあるでしょうか。

上記の例で言うと、「この楽曲の作曲では、メイがほとんどの作業を行って、ケンはサポートしただけだから、メイが沢山もらうべき」といった内容で当事者間の意見が一致している場合などに、かかる合意内容を分配率に反映できるようにするのが「創作の寄与度に応じた分配率の届出機能」です。

※「創作の寄与度に応じた分配率の届け出」においても、詞と曲がある場合に、まず詞と曲で均等分割となる取扱いは変わりません。

(例)

作曲を担当したメイ/ケンが、均等の2分割ではなく、メイが40/50、ケンが10/50で分けることに

ただし、創作の寄与度に応じた分配率を設定する区分の著作者全員が以下の条件を満たしている必要があります。
・JASRACと信託契約を締結している(KENDRIXのアカウント種別が「ビジネス+」)
・対象の楽曲のプロジェクトメンバーである(KENDRIXのプロジェクト機能を通じて楽曲のオーナーから招待され、その招待を承諾している)

このあと、KENDRIXで創作の寄与度に応じた分配率の届け出を行う方法を詳しくご説明します。

※KENDRIXからJASRACと信託契約を締結する方法の詳細はこちらの記事の(point 3)をご覧ください。
※既にJASRACと信託契約を締結している方が、KENDRIXのアカウント種別を「ビジネス+」にアップグレードする方法の詳細はこちらの記事の(point 1)をご覧ください。
※KENDRIXに楽曲情報を登録したユーザー(オーナー)が、共同著作者等を招待して自身の登録した楽曲情報を参照できるようにするプロジェクト機能の詳細はこちらの記事の(point 1)をご覧ください。

創作の寄与度に応じた分配率届を作成し提出する方法(詳解)

1.楽曲登録を行う

2.プロジェクトメンバーを招待する


もしくは


招待したいユーザーの名義IDまたはメールアドレスを入力


招待した相手が、KENDRIXユーザーではなかった場合に発信されるメールの一部(「招待を承諾する」をクリックすると、KENDRIXのアカウント作成画面に遷移)


招待した相手が、既にKENDRIXユーザーの場合に発信されるメールの一部(「招待を承諾する」をクリックすると、参加する活動名義の選択/入力画面に遷移)

3.バージョン追加を行う

4.作品届と分配率届を作成し提出する


プロジェクトメンバーに対して発信されるメールの一部

貢献度を分配率に反映させられるからこそ、コラボレーションしやすくなる!

JASRAC管理作品において創作の寄与度に応じた分配率を設定することは、コライトなどにより創作環境が国際化・多様化するなかで、創作的な寄与度を分配率に反映させることの必要性・合理性がより高まっていくという見地に基づき、2021年4月から可能となっています。

新たな創作スタイルを志向する音楽クリエイターをターゲットとするKENDRIXは、プロジェクト機能やコメント機能により当事者間の合意形成も効率的にサポートできることから、創作の寄与度に応じた分配率の届出をオンラインで簡便に行えるようにしました。

分配率を細かく設定できる場合、たとえば以下のような考え方も採用し得るのではないかと思います。

・作曲者と編曲者ではなく、どちらも作曲者というクレジットにしたうえで、分配率に差を設ける

・各自の貢献度を踏まえた結果、作詞者と作曲者を交えて完全な均等割りにしたいのに、JASRACの原則どおりの取扱いだと、まず詞と曲で均等分割になり、意図しない分配率になってしまうため、いずれかの区分で分配率を調整して、詞と曲トータルで、均等割りになるようにする

こちらのページでも分配率届の活用方法をご説明していますのであわせてご一読ください。

KENDRIXは、今後も音楽クリエイターの皆様に有益な機能を追加していく予定です。
KENDRIX MediaやKENDRIX YouTubeチャンネルでは、KENDRIXをご活用いただくためのコンテンツを制作してまいりますので、引き続きご注目ください!


https://kendrix.jp/

(関連記事)

KENDRIX Media データラボ 番外編~「団体名義」本当にそのクレジットでいいですか?


KENDRIX Media データラボ~みんな「コライト」してるの?

Top Top
merumaga merumaga
E-mail Newsletter

メルマガ登録はこちら