音楽クリエイターのための賃貸マンション「TRACK」をのぞいてみた
きらびやかな音楽シーンの裏にある、クリエイターたちの試行錯誤の時間。
新たな創作のために、作業に没頭できるクローズドな環境は必要不可欠です。とはいえ周辺環境への配慮などを考えると、なかなか自宅で思い切り音を出して創作活動に専念することは難しいのではないでしょうか。
多くの音楽クリエイターが直面する「防音」について、何か有益な情報をご提供できないか、とリサーチしていたところ、防音対策が施された音楽クリエイターのための賃貸物件なるものが向ヶ丘遊園にある、という情報をキャッチしました。
向ヶ丘遊園といえば、KENDRIX Media 編集部がある代々木上原から小田急線(急行)で15分ほど。
早速アポイントを取って、全室防音仕様の賃貸マンションにお邪魔しました。次世代クリエイターにとって理想の住まい、「TRACK向ヶ丘遊園」です。
まずは物件をチェック
小田急線「向ヶ丘遊園」駅に降り立ち、南口から歩くことわずか3分。ひときわお洒落なマンションが目の前に現れます。今回の目的地である「TRACK向ヶ丘遊園」です。
エントランス
照明がお洒落すぎる1F共用部
外観だけでなく、当然ながら建物の中も洗練されています。
自ずとこれから拝見するモデルルームへの期待感が高まります。
そんな編集部員の前に、現地で待ち合わせをしていた長谷工不動産の谷野さんが登場しました。
谷野 真太郎(たにの しんたろう)さん
株式会社 長谷工不動産
不動産開発事業部 コンセプト推進部 部長
谷野さん:本日はよろしくお願いいたします! 早速モデルルームに向かいましょう。
谷野さんは編集部員よりも随分先に来られていて、モデルルームの空調を入れるなど、事前準備をしてくださっていたのでした。
ということで、モデルルームに足を踏み入れた途端、こんなに素敵な光景が目に飛び込んできました!
PCや機材、楽器からベッドまで置かれたモデルルーム
今回拝見したモデルルームの間取りは以下のとおり。
50.16㎡、1LDK。上の写真は廊下や水回り(キッチン・トイレなど)の先にある防音空間の居住スペース(兼作業スペース)です。
作業デスクの右手にはクローゼットがあるが…
可動棚と奥行のある台があらかじめ設置されている
谷野さん:このクローゼットは普通に収納として使えますが、作業スペースとしてもご利用いただけるようにしてあります。
お洒落な雑誌のクリエイターの自宅を紹介する特集記事などで見かける「押入れを作業スペースに改造しました」的な状態を、改造しなくても気楽に実現できる!!
決して押しつけがましくなく、実用性と遊び心を兼ね備えた嬉しい工夫です…。
谷野さん:このクローゼットの左奥には、機材用のアース端子付きの電源が沢山あります。洋室(防音室)の各所には100V電源だけでなく200V電源もあるんですよ。
アース端子付きの電源が、100V×4口、200V×1口、計5口も用意されている
近く(写真奥)にはTVアンテナ、LAN端子、電源(アース端子なし)が一つにまとまったマルチメディア・コンセントも
普通の賃貸物件では「ありえない」このような特殊な電源設備は、音楽クリエイター向けと銘打つTRACKの特徴の一つ。
さらに、TRACK一番の売りである「防音」について、谷野さんにご説明いただいた。
谷野さん:TRACKは完璧な防音仕様ではありませんが「24時間いつでも好きな時間に演奏が楽しめるレベル」の防音を実現しています。
具体的には、100dBで演奏したとしても、隣室に聴こえるのは20dB、上下階の部屋に聴こえるのは25dB程度*。例えると、ライブハウスやクラブと同等の音量を出しても、静かな場所で耳を澄まして聴いた場合の「木の葉のふれあう音」「掛け時計の秒針の音」レベル、「ほとんど聞こえない」と言えるレベルです。
*第三者機関「株式会社OTO技術研究所」の遮音測定検討報告書に基づき算出(記載の数値は設計図面等に基づき、防音室の500Hz帯域の遮音性能を測定・検討したものであり、性能を保証するものではありません)。
さらに、採光窓が沢山あって非常に明るい室内ですが、窓は全て二重サッシとなっていて、戸外への音漏れも防いでいます。
洋室(防音室)と防音仕様ではない廊下や水回り(キッチン・トイレなど)を仕切る扉も音漏れを減らす工夫が施されています。
扉を締めるとボタンが押下され、扉の下の隙間をふさぐ仕切り板が降りて防音室からの音漏れを抑えています
スタジオなどで採用されている、ゴツいレバーハンドルが付いた重たい扉ではなく、日常生活するスペースとしての暮らしやすさにも配慮された「適度な」防音対応が施されているという印象です。
この物件にはさらなる工夫が。
防音仕様となっている部屋の一角が吊り下げ式のスライド扉で仕切れる!
谷野さん:モデルルームではこの「間仕切りスペース」のなかにベッドを置いていますが、ここに機材等を置いて作業スペースにし、広いスペースのほうにベッドを置く方もいます。
ですので、さきほどご覧いただいた「アース端子付きの機材用電源」と「マルチメディア・コンセント」はこの間仕切りスペースにもあります。
様々なニーズに応えるための工夫が随所に施されている…。おそるべしTRACK。
ちなみに、洋室(防音室)もキッチン空間も明るく快適で、設備も充実しています。
窓付きの明るく開放的なキッチン
谷野さん:今日は、実際にTRACK向ヶ丘遊園に入居されている音楽クリエイターの村田さんにも取材にご協力いただけるようにお越しいただいています。
本物の入居者、村田さんが登場(村田さんへのインタビュー)
村田 直(むらた すなお)さん
株式会社 SM RECORDING 代表取締役
ここからは、TRACK向ヶ丘遊園の入居者である村田直さんにお話を伺いました。
――村田さんがTRACKに住むきっかけはどのようなものでしたか。
村田さん:僕はいま、音楽スタジオ事業、流通・卸売事業、音楽配信事業、出版権利事業などを行う「SM RECORDING」という会社を運営しています。本社は下北沢なのですが、TRACK向ヶ丘遊園を住居兼作業スペースとしています。
A&Rやマネジメントといった業務が中心なのですが、もともとベースを弾いていたこともあり次第にエンジニアとしての関わり方も増えていって、編集やちょっとしたトラック作りといった制作面での仕事も増えていきました。
TRACKに入居する前は防音設備のない自宅で作業していたのですが、それだと音出しできる楽器はエレキベースくらいです。コントラバスなんてとても音出しできないですよね。周囲に配慮して基本的にヘッドホンで作業していましたが、ライブ会場で鳴らすことを前提に曲作りを進めていくと「スピーカーで作業しないと整合性をとれないなぁ」と感じることが多くなっていきました。かといって試しにある程度の音量でちょっと鳴らしてみると、案の定周囲から苦情が来たり(笑)。そんな感じで、音を出したい気持ちと周囲への配慮の狭間でずっと悩んでいました。
どうにかしたいと思いながら過ごしていたところ、たまたま見ていたWeb記事を通してTRACKのことを知り、これは!と思い入居手続きを進めました。
村田さんの使用機材:オーディオインターフェースはANTELOPE AUDIO Discrete 8 Synergy Core、Universal Audio Apollo Twin X、モニタースピーカーはADAM AUDIO A8X、iLoud Micro Monitor、ミキサーにSSL SiX、DAWコントローラーにはSSL UF1 & UC1、その他アウトボードにはRupert Neve Designs MBC、Portico Ⅱ Master Bus Processorなどが見受けられる
――TRACKに実際に住んでみてどうでしたか?
村田:周りを気にせず音を出せる環境は今まで何よりも望んでいたものだったので、「夢のような場所」だと思ったのが第一印象でした。
電源の数もすごいですね。TRACKには機材用のコンセントが追加されている形で、通常のマンションの倍ほどコンセントがあります。正直ありすぎて今でも持て余してます(笑)。機材系はなるべく延長コードではなく壁から直接取っていきたいので、ありがたいです。
そして僕の部屋にも間仕切りスペースがあります。部屋の中にもう一つ個室のような空間が作れてしまうので、ボーカルを録ったりするのに便利です。
TRACKに入居する前の自宅だと、歌録りはまず不可能でした。防音でないとアーティストも気になって声を出せず、集中もできないので。TRACKでは声を思いっきり出せるレベルの防音環境は確実にありますし、遮音環境も作りやすいです。
村田さんの部屋の間仕切りスペース。スライド扉の内側にカーテンレールがあるので、遮音カーテンをかけて、音の響きを調整できるようにしている。ソファベッドなので寝室にもなる。
村田さん:音楽業界の人間として、CD制作コストの上昇、CDを出してもなかなか売れない状況については身に染みています。こうした状況だからこそ、楽曲制作だけでなく、歌録りやミックス、マスタリングにも対応できるTRACKの環境はすごく効率的で、時代にフィットした楽曲制作に対応しやすいと思います。
あとTRACKの部屋は普通に生活するうえでも非常に快適な設備が揃っています。僕の部屋は浴槽があるタイプなのですが、浴槽は広いし、浴室内暖房もあるし、本当に快適です(笑)。通常の住居としても文句なく住みやすいです。
浴室(村田さんの部屋と同じタイプのモデルルームのもの)
カスタマイズできることの重要性(谷野さん、村田さんへのインタビュー)
ここからは谷野さんにもインタビューに加わっていただいた。
――谷野さんは、TRACKの構想当初から村田さんのような利用方法も想定していたのでしょうか。
谷野:できれば村田さんのような方にも入ってもらいたいという気持ちはありました。イメージとしてはまず、トキワ荘のように駆け出しのクリエイターたちがここで切磋琢磨して育っていってくれるといいなぁ、というのがあり、さらには、成長してプロのクリエイターとして食べていけるようになったあとでも耐えられるスペックにしたいと思っていました。あくまで住居なので防音のスペックには限度がありますが、それ以外の住居設備も充実させていくことで防音マンションとしての魅力を高められたと思います。
――村田さんとしては、まだどこか改善を希望される部分はありますか?
村田:そうですね…もう自分でカスタマイズすればいいじゃん!という話だと思うんですけど、もう少し吸音される環境だったらよかったかなと思いましたね。
谷野:なるほど。ありがとうございます。参考にさせていただきます。実は吸音については、色々と悩みながら現在のTRACKの形に行き着いています。TRACKの前身となった、ピアノやヴァイオリンを演奏できるというコンセプトの「PLAY」という物件を作ったとき、楽器によって吸音するのか反射させるのか、その加減が異なるということを知りました。ピアノやヴァイオリンに対し部屋の吸音能力を高めてしまうと今度は反響が足りないということもあったので、TRACKではあえては自由度を高めようと思っていました。ただTRACKはPLAYに比べると、吸音したいという要望のほうが強くなると思い、居室の1面に釘打ちできる補強壁のエリアを設けて、吸音パネルを設置できるようにしています。
村田:僕は音楽室にあるような黒い吸音カーテンを設置するなど、自分なりに工夫しています。カスタマイズの余地を残すということも、多様なクリエイターに寄り添うために必要なポイントかもしれませんね。
生活を通して交流を深められる住まいづくり(谷野さんインタビュー)
プロの音楽クリエイターである村田さんも、不満がほとんどない「夢のような場所」と絶賛するTRACKですが、一体どういう経緯で生まれたのか。最後はあらためて谷野さんにお話を伺いました。
――どのような経緯でTRACKの構想が生まれたのでしょうか。
谷野:もともと私はマンションの販売部門で、分譲マンションを販売する仕事をしていました。長谷工グループの組織再編が進んだ2017年ごろ、当時の社長(現会長)が新しいアイディアを求めました。「賃貸マンションや分譲マンションは普通のものであれば既に沢山あるだろう。何か他とは違う特殊なことをやれないだろうか」と。
一つの発想として、マンションの共用部分を活用するというものがありました。分譲マンションなどの大きなマンションには、共用スペースとしてパーティールームなどが設けられることがあります。イベントや会合など、居住者の方に自由に使っていただくことを想定していますが、実際に作り手の狙い通りに活用されているマンションはなかなか少ないといえます。ならばいっそのこと、一つのマンションに同じ趣味を持つ方たちに住んでもらって、共用部分もそんな居住者同士が交流する場所にできないかという声がありました。
防音マンション以前に、LIVWIZシリーズとしてロードバイクのためのコンセプトマンション「LUBRICANT」を企画しました。こちらは、当時我々が持っていた荒川周辺の土地で何かコンセプトのある物件を、と考え始めたのがきっかけです。LUBRICANTでは、マンションの共有スペースでトレーニングをしたり、居住者同士で荒川周辺を走りに行ったりすることを意図して作られました。
同時期に企画した、西武池袋線江古田駅周辺のコンセプトマンションについては、最寄駅の武蔵野音楽大学に通っている学生さんをターゲットにして、クラシックの若手演奏家のためのコンセプトマンションとして先ほど話題に出たPLAYを作りました。上京して音大のピアノ科に通われる学生さんは地方からピアノを持って来られるので、PLAYの各部屋はグランドピアノを搬入できる仕様となっています。またPLAYの共用スペースは、プライベートコンサートができるホールにしました。
また、作って終わりではなく、作った施設を生かして私たち不動産会社も居住者の方も何か一緒に発展していくことができないかと思っていました。通常のマンションだと、私たちは建物を作るところまで、その後は仲介業者に情報を出して入居者募集等を依頼する形になりますが、このLIVWIZシリーズは私たちが直接入居募集・接客まで行います。お客さんから実際にどのようなニーズがあるかを聞くことができますし、そこでいただいたフィードバックをまた次の物件へ生かしていける。作った先の発展を目指す循環ができていると思います。
演奏家のためのマンションからクリエイターのためのマンションへ
――防音マンションのニーズは増えてきていると思われますか。
谷野:防音を求める人というと、楽器を演奏する人や音楽制作を行う人という属性を想定していましたが、必ずしもそうではない方が増えてきている印象です。新型コロナウイルスの感染拡大後に増えた在宅ワーカーさんもそうですし、最近ですと配信をメインに活動される方とか。映像系のクリエイティブな仕事をしている方も増えてきましたし、あとはゲームをやる方ですね。実際、お客様の中には自宅でゲームをやっていたら隣人からクレームが来たので引っ越したいという方がいらっしゃいました。
PLAYは音大生をターゲットにして、音楽のなかでもあえてクラシックとかジャズ系に絞ったため、DTMとかバンド活動がメインの方はお断りしていたんです。ただ、入居を希望してくれる方のなかにそうした属性の方が結構いらっしゃるということが分かり、PLAYでお断りしていたお客様を迎えられるマンションを作りたいという構想が生まれました。クリエイターのためのTRACKは、PLAYで確認できたニーズに応えるべく、より裾野を広げたマンションと言えると思います。
――TRACKへの入居を希望される方の中には、純然たるオーディオマニアさんとかもいらっしゃるのでしょうか?
谷野:いらっしゃいましたね。「シアタールームを作りたい」という方もいらっしゃいました。こうした声をもとに大きめのスピーカーなどを設置することも想定し、部屋に200V用電源を設置するアイディアなどが出てきました。TRACKはオーディオ好きの方もぜひご入居いただきたいと思っています。*
*入居者個人にて、別途スピーカーからの振動対策が必要となります。
会社としても防音マンションを増やしていきたいと考える一方で、不動産全体の問題として土地が高く建築費も上昇して建物を作りづらくなっている状況があり、事業として成立しないものがどんどん増えてきてしまっているのが事実です。それに加えて防音マンションのように設備面でこだわるとどうしても高額な賃料になってしまいがちですけど、できれば今後はもう少し安い賃料で、趣味レベルで防音環境を持ちたい方もサポートできるようにしていきたいですね。
住む人と同じ視点に立つために
――TRACKに施された細部へのこだわりを見ると、防音のみならず生活そのものへの気遣いが感じられます。
谷野:物件を作るときには、なるべくターゲットとする方たちと関わりを持って進めていきたいと思っています。LUBRICANTを作る時、オープンイノベーションとまでは行かないのですが、自転車関係のメディアに監修に入ってもらうことで不動産会社では分からないような部分についてアドバイスをいただきました。PLAYの時は実際に音大に通っている学生さんや演奏家の方々に集まってもらい意見を出していただいたこともありましたね。
TRACKでは、作編曲家の林ゆうきさんに企画段階からアドバイスしていただきました。先ほどご覧いただいたモデルルームの機材や家具のコーディネートや、1F共用部で流れる楽曲も林さんの手によるものです。
――谷野さん自身は、ロードバイクや音楽をやられるのですか。
谷野:LUBRICANTを企画したとき、もちろん普通の自転車には乗っていましたけど、いわゆるロードバイクみたいなものは乗ったことがなくて。これは、自分でも一度やってみないと分からないなと思い、ロードバイクが趣味だった同僚に教えてもらいながら乗り始めました。入居者の方と一緒に走ることもありましたよ。
音楽については、小学生のときにちょっとだけピアノを習っていて楽譜は少しだけ読めたので、PLAYを作るときはまず長谷工のCMの曲、「タラタタッタタ♪」というやつを弾けるように練習したりしました(笑)。
TRACKの企画時は、DAWソフトをダウンロードしてYouTubeを観ながら曲を作ってみましたね。試しにやってみた程度でしたが、ちょうどその後に子どものダンスの発表会で踊りに合わせて曲を編集しないといけないという話があり、この経験をもとに簡単な繋ぎ合わせやフェードアウトをやったことがありました。そのときは、ちょっと感謝されましたね(笑)。
こんな感じで、一つ一つの企画に対し何かしら自分でも体験してみるようにしています。もちろん専門とする人の域にはぜんぜん達しないですけど、どういうことが必要で、どのようなお悩みがあるのか、なんとなくでも体験しておくことは大切だと思っています。
――ユーザーの声を聞くだけでなく、自分でも体験するという谷野さんの姿勢は、KENDRIXを開発したりプロモーションしたりしている我々も見習いたいです。本日はありがとうございました!
<取材後記>
編集部員A
趣味の楽器演奏のためカラオケルームや貸しスタジオによく行きますが、どうしても窓がなく光も入らない閉鎖的な環境になってしまいます。そんな状況でひとり黙々と演奏していると、どんどん思考も凝り固まっていき、終いには考えることを停止して数時間同じ箇所だけ練習していた…ということもしばしば。環境のせいにしている時点で実力不足だと反省しますが(笑)、少し体勢を変えて伸びをしたり、窓を開けて鳥のさえずりを聞いたりできる環境でリフレッシュしながら自分の表現を追求できたら、という願望をずっと抱えていました。
TRACKのモデルルームに入ってすぐ、その開放感に心奪われました。太陽光がしっかりと差し込む風通しの良い部屋は、たとえ防音でなくても住みたいと思ってしまうほど。備え付けられたTRACK仕様の設備の数々から、単なる防音マンションを超えて、音楽活動を生活の一部として位置付けられるよう徹底的に配慮されていると感じました。こんなところで時間を気にせず思いっきりクリエイティブな活動に打ち込めたら…!村田さんが「夢のような場所!」と仰ったのも納得です。
毎月のスタジオ代を考えたら、決して贅沢とは限らない賃料で快適な環境が手に入る。そんなTRACKにすっかり魅了された編集部員一同の興奮を少しでもお伝え出来ていたらうれしいです。編集部員B
「防音」に対するニーズは、音楽制作以外の用途でも高まっているという谷野さんの言葉はとても印象的でした。以前から漠然と、特に単身者用の賃貸物件では「防音」に関する需要と供給のギャップが著しいように感じていたからです。少々大袈裟かもしれませんが、日本の住宅事情では楽しめる音楽ジャンルや楽器が限定され、多様性に影響することもあるのではないか、とすら思っていました。
TRACKのような賃貸マンションが、手の届きやすい身近なものになることは、音楽クリエイターにとっての福音であることは間違いありません。今後も音楽クリエイターの住環境に関することに注目していきたいと思います。
【賃貸マンション「TRACK」】
長谷工不動産が展開する「好きと暮らす」をテーマとしたコンセプトマンションブランド「LIVWIZ(リブウィズ)」シリーズの一つ。近年増加する音楽・映像の制作を趣味・生業とするクリエイターに向けて、創作活動に専念できる住まいを提供することを目的に開発。企画にあたりターゲット層約1,000人を対象としたインターネット調査を行い、実際のクリエイターのニーズや嗜好を深掘りし、専用仕様・設備として防音や機材用電源を導入。さらに、機能だけでなく建築からインテリア、WEBサイトに至るまでデザインにも徹底的にこだわり「ここにしかない」住まいの実現を目指している。現在両国駅と向ヶ丘遊園駅に展開。新規建築予定有。
TEXT:KENDRIX Media 編集部
PHOTO:和田貴光
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