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会社員でフリーランス、身も心もヘルシーに次のステージを目指す「ゆいにしお」の現在地

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2022年10月のメジャーデビュー以来、ポップで爽やかなメロディと、日常に寄り添う等身大の歌詞で多くのリスナーを魅了しているシンガーソングライター「ゆいにしお」さん。2025年4月には、フリーへの転向を発表、新たなステージを目指して転機を迎えました。

日本ビール検定3級を取得するほどのビール好きでもあるゆいにしおさんを、新潟が世界に誇るブルワリー・スワンレイクビールを堪能できる「スワンレイクパブエド カフェドテテ 渋谷代々木上原店」にご招待。絶品のクラフトビールとともに、これまでの活動や近況、さらに今後の展望についてお伺いしました。


ゆいにしお
1997年生まれ、愛知県出身
2016年、弾き語りでの活動をスタート
2018年、日本コロムビア主催「半熟オーディション2018」にてグランプリを獲得
2021年、『息を吸う ここで吸う 生きてく』がTVアニメ「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました」のオープニングテーマに
2022年、日本コロムビアから1stアルバム「tasty city」をリリースしメジャーデビュー。LINE NEWS AWARDS 2022 エンタメ部門 NEXT NEWS賞を受賞

2023年、『セルフハグ・ビッグラヴ』がTVアニメ「英雄王、武を極めるため転生す 〜そして、世界最強の見習い騎士♀〜」のエンディングテーマに、『会いたいな今夜』がTVドラマ「来世ではちゃんとします3」のエンディングテーマにそれぞれ決定。女性の持つパワーや可能性を最大限に引き出していくSpotifyのプログラム「EQUAL Japan」のアンバサダーに選出される
2024年、『routine life』がTVアニメ「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました 2nd」のオープニングテーマに。2ndアルバム「weekday」をリリース
最近お気に入りのビールはヘイジーIPA

(店舗情報)
スワンレイクパブエド カフェドテテ 渋谷代々木上原店
東京都渋谷区大山町46-9

新潟県阿賀野市の瓢湖屋敷の杜ブルワリーで作られるスワンレイクビールが味わえるビアカフェ。壁面にずらりと並ぶタップから10種類以上のクラフトビールが堪能できる。
なかでも「ポーター」は世界的なビール審査会World Beer Cupや WORLD BEER AWARDSにて金賞を幾度も受賞。ゆったりとした店内にはカウンター席からソファー席まで設置され、一人でもグループでも心地よい時間を満喫できる。

※お酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。

身も心もヘルシーな活動を目指して

――2025年4月、日本コロムビアから独立されてフリーランスとしての活動をスタートされました。

このタイミングで、と決めていたというよりかは、どうしようか迷っているうちに気付いたら独立していた、という感覚です。昨年発売したアルバム「weekday」を作っている時期が一番悩んでいたと思います。自分ではあまり自覚がなかったのですが、思い返せばお酒の量も増えていました(笑) 

もともと人に相談するのが苦手で、悩みごとは一人で抱え込んでしまうことが多かったんです。でも、様々な人とのご縁に恵まれ色々と相談させてもらうなかで、今後自分がどうしていきたいのかをあらためてじっくり考えることができました。その結果として、フリーランスでの活動を決心できたと思います。

まだフリーになってから日が浅く手探りの状態ですが、いろんな案件が事務所のフィルターを通さずに自分に届くことがとても面白く、新鮮に感じています。フットワークは大分軽くなりました。友達からの突然の依頼や、「ちょっとこの音源にコーラスを入れてくれない?」といった軽めの相談にもすぐに応えられて、楽しいです。

――ゆいにしおさんの活動スタイルの大きな特徴として、会社員との兼業が挙げられると思います。

今も会社員を続けながら音楽活動をしています。大学時代から弾き語りを始めて、本当は音楽一本で食べていきたいと思っていたんですけど、やっぱり現実は厳しいだろうなと当時から感じていたんですよね。就活のタイミングが近づくにつれて、音楽と両立できそうな仕事に何となく目星をつけていました。

自分にとって一番大切なことは、毎日の生活を穏やかに営むこと。正社員ではなくバイトをしながら音楽を続ける道もあったとは思いますが、私の場合はお金がないことばかり考えちゃうだろうなと思ったんです。まずは生活の基盤をきちんと作ってから活動する、そのほうがヘルシーかなと思い今の会社に入社しました。会社員としてやっている仕事ももともと興味があった分野なので、好きなことが2つできているような感覚です。

会社の人はずっと応援してくれています。間違いなく、今の会社だからこそ両立できていると思います。なので他人にむやみに「兼業したらいいよ」とは言えないです(笑)

――楽曲について会社の方から感想を言われることはありますか?

『SUMMER TUNE』という曲で「休みらしい休みが欲しい」という歌詞を書いたときは社長に少し心配されて、そのときは申し訳ないと思いましたね。実際は仕事も休日もとても充実しているので、安心していただきたいです。


ゆいにしお「SUMMER TUNE」Official Music Video

――昨年は全国ツアーも開催されました。

ツアーではいつも、会社の有休やゴールデンウィークをフル活用しています。
昨年は全国5ヶ所を回りました。今まで東名阪を回ることはあったのですが、初めて北海道と福岡にも行けて、ゆいにしおの楽曲を生で届けられたのが嬉しかったです。もちろん美味しいご飯とお酒も最高でしたね(笑)

ツアーメンバーとはもう2年くらい一緒にやっているんですが、最初こそよそよそしかったものの回を重ねるうちに凄く仲良くなってきて。去年のツアーではライブが終わったあともみんな私の部屋に集まって飲み明かすなど、終始楽しかったです。音楽的にも公演の度にブラッシュアップを重ねて、ファイナルでは全力を出し切れたのではないかと思っています。

自分のためにある楽曲だと感じてもらえるように

――詞と曲はどちらから作り始めることが多いですか?

絶対に詞からですね。メロディーから作り始めることはほぼゼロです。詞から書くか、詞と曲が同時に降りてくるかのどっちかですね。

日常でちょっと気になった言葉などをすぐにスマホにメモして、あとから見返してうまく繋げられないかと考えています。一気に仕上げるというよりは、毎日メモを見てニヤニヤしながら少しずつ書き足しています。この時間が一番好きです。

――20代女性のリアルな生活に寄り添った歌詞で、同年代のリスナーとしては共感する言葉ばかりです。

以前は学生時代の友達との思い出や彼女たちから聞いた話を歌詞にすることが多かったです。ファーストアルバムの「tasty city」のときなんかは女子会を開催しまくっていたので、そのときに仕入れたネタが豊富に盛り込まれています。女子会のために曲を書いて、曲を書くために女子会する、みたいな。タダでは太らん!やるからには仕事にするぞ!と思ってやっていましたね(笑)

当時ちょうど25歳ぐらいで、皆それぞれに長年付き合った彼氏との別れだったり転職だったり、人生の分岐が見え始めるタイミングでした。あれから数年経った今では、仕事や家庭が本格的に忙しくなってきた友人も多くてなかなか女子会も開催しにくくなっています。

昨年のアルバム「weekday」に収録した『BFF』では、お互いに忙しくてすぐには会えなくても心の中では気にかけているよ、というアラサーならではの友人との距離感を書けたかなと思っています。

小説でも映画でも、まるで自分のために書いてあるんじゃないかと思える表現に出会ったときってやっぱ楽しいと思うんですよね。私の歌詞を読んで同じ体験をしてほしいなという気持ちはいつも心の中に持っています。


ゆいにしお「BFF」Official Music Video

――友人から「この歌詞って私のこと?」と言われることもありますか?

もうそれは自分から言っています。(指差して)「書いたよ!!」って(笑)

最近はより自分の内面に向き合った歌詞が多くなってきたように思います。本当に自分が好きなもの、嫌いなものはなんだろう?と紙に書き出したりして、本心と対峙することも多くなりました。社会人としての日常生活では、たとえ嫌なことでも自分の気持ちを一旦「無」にして取り組まなければいけない場面も少なくないですが、せめてステージの上だけは自由でありたいと思っていますし、この気持ちをずっと持ち続けていたいです。


ゆいにしお「TWO HANDS」Official Music Video

――作曲で意識されていることはありますか。

歌詞が一番映えるメロディを付けようと思っていて、できるだけ日本語のイントネーションに沿うような形を意識しています。イントネーションが上がるところに合わせて高い音を当てるなど、話している感じで歌えるように作っています。小さい頃に父の影響でGarageBandを少し使ってみたこともありましたが、今はギターでメインの部分を作ることがほとんどです。

以前は邦楽をよく聞いていて、そこから影響を受けることが多かったんですけど、最近は海外のアーティストの楽曲も聞くようになりました。今よく聴いているメイ・シモネス(Mei Semones)さんは、鈴木真海子さん(chelmico)の『お酒を飲んだ夜(feat. Mei Semones)』をきっかけに知り、独特な日本語の使い方やギターの巧さにすっかりハマってしまいました。また、今年の2月にはレミ・ウルフ(REMI WOLF)さんの来日公演にも行きました。昔から女性のソロシンガーが好きですが、彼女もまた凄く力強いシンガーで、今特に聴いているアーティストの一人です。

今後は自分の好きなアーティストさんに積極的に声をかけて、フィーチャリング楽曲なども沢山作ってみたいですね。フリーになった分、今まで以上に自分でアンテナを張って、新しい出会いや曲作りを楽しみたいです。

変わらない二拠点での活動とフリー転向後初ライブ

――現在、ゆいにしおさんはラジオ『TOKAI RADIO MUSIC PROGRAM SESSIONS 929』にて、水曜日のパーソナリティを務められています。

地元である愛知のラジオ局なので、地元民だからこそ知る美味しいお店や観光スポットをお伝えできるよう頑張っています。そのための調査は抜かりなく行っていまして、収録の前に喫茶店を2〜3軒ハシゴして小倉あんトーストを食べ回ったり。いつもお腹いっぱいになりながら収録していることが多いです(笑)

情報収集はInstagramがメインですね。おしゃれな人のInstagramを見て参考にしています。あとは友人たちからのおすすめ情報もかなり有益です。気になったお店はGoogleマップ上でピンを立てていて…今見たら居酒屋が264か所、ビールのスポットは467か所登録していました(笑)。今日お邪魔しているスワンレイクさんも、ずっと行きたいと思ってピンを立てていたお店だったんです。今日は夢のような取材です。

――ゆいにしおさんのInstagramには最近読まれた本の写真も度々アップされていて、読書家のイメージもあります。

大学で文学系の学科にいたこともあり、本は好きです。時間が取れなくて全て読めないこともありますが、月に2、3冊は買って手元に置くようにしています。昔から好きなのは江國香織さん、最近だとコラムニストのジェーン・スーさんのエッセイとか。ジェーン・スーさんと堀井美香さんとのポッドキャスト「OVER THE SUN」も大好きで、いつも元気をもらっています。

そういえば、最近シェア本棚を始めました。「渋谷◯◯書店」という、月額制で店内の本棚に自分の選書を置いて実際に売ることができるサービスです。◯◯のところに自分の好きなワードを入れることができるのですが、私は「渋谷ウィークデイ書店」と名付け、平日に読みやすい落ち着いた読み口の本を置いています。たまにお店にも立てるみたいなので、とても楽しみです。他の方の本棚もすごく面白いですし、立地も渋谷ヒカリエの8階とアクセス抜群なので、ぜひ覗いてみて欲しいです。

そして、10月5日(日)に名古屋KDハポン、6日(月)に下北沢mona recordsで自主企画ライブ「BIG LOVE」を開催します。今回は、ドラムのKOZOさんとのデュオでやってみようと思っていて。KOZOさんは元々私と同じレーベルのバンド(Wienners)に所属されていたのですが、現在はMUGWUMPS・DIMWORKというバンドやフリーのドラマーとして活動されていて、実は今、私のドラムの先生でもあります。

――ドラムを練習中なんですか?!

そうなんです。まだまだ初心者ですが、最近自分の曲のドラムが叩けるようになってきました。音楽を聴いているときもドラムの音がよく聞こえるようになってきて、これからの表現にも活きてくるのではないかなと思っています。

ドラムとのデュオでのライブは今回が初めてなので、これまでのゆいにしおの楽曲もまた違った聴き方をしていただけるのではないかなと思っています。名古屋公演・東京公演にそれぞれ素敵なゲストもお呼びするので、是非たくさんの方にお越しいただきたいです。

多彩で伸びやかな感性をもっと自由に

――今後やってみたいことはありますか?

またツアーをやりたいと思っています。沖縄とかも行きたいし、北陸の方もまだライブで行っていないのでぜひ行きたいですね。とにかくライブの本数を増やしていきたいです。あとは、完全自己プロデュースのアルバムにも挑戦したいです。もっと自分の感性を研ぎ澄ませながら、やりたい放題なアルバムを作ってみたいと思っています。

ほかにも…私、かばんが結構好きで家に30個ぐらいあるんですけど、意外とアーティストが楽器を背負いながら持てるかばんが無いので、そういうのを作れたらいいなと思っています。あと洋服も好きなので、自分でプロデュースした服も作ってみたいかも。先ほど本の話もしましたが、女性作家さんのエッセイが好きなので、いずれは自分でもエッセイを出版してみたいなとも思っています。

――盛りだくさんで楽しみすぎます。ゆいにしおさんの多彩で伸びやかな感性がさらに自由に拡散されるであろう次のステージでの活動に期待が膨らみました。今後の活動もフォローさせてください。ありがとうございました!

こちらこそありがとうございます。インタビューおつかれさまでした。ぜひこのまま一緒に乾杯しましょう!(笑)

(ライブ情報)
ゆいにしお自主企画「BIG LOVE」

【日程・会場】
■ 10月5日(日) 名古屋・鶴舞KDハポン
■ 10月6日(月) 東京・下北沢mona records
開場:18:30 / 開演:19:00
【出演】
ゆいにしお(Drum duo set)
Drum:KOZO
【ゲスト】
10月5日 多部大/wowdow
10月6日 Kaco/マコトコンドウ
【チケット】
・前売:¥3,500(+1Drink)
・当日:¥4,000(+1Drink)

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TEXT:KENDRIX Media 編集部
PHOTO:雨宮透貴

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